終端時刻未知終端制約条件付き最適条件を用いたモデル予測制御手法による熱延仕上ミル張力·ルーパ系のスタートアップ制御- 連続変形法による制御則導出

摘要

鉄鋼プロセスの多くはバッチプロセスであるため，制御モードの切り替えが必要となる場合が多いが，これまでの切り替えロジックはヒューリスティックな試行錯誤的な方法が用いられていた．これに対し，最近，熱延仕上ミルの張力·ルーパ系のスタートアップ制御において，ルーパ系と圧延材の接触前後の状態（モード）を統一的に最適制御する手法が提案された1)．そこでは，各モードにおける張力·ルーパ系の運動方程式から，ハイブリッドシステムの標準的なモデルの一つである区分的アファイン(PWA; Piecewise A.ne) モデルを導出し，このモデルに対する最適制御手法を与えている．また，ハイブリッド法を用いることにより，接触前のモードにおいて接触後のモードを考慮した制御が実現でき，試行錯誤的な手法である定数トルク法と比べ，スムーズかつ速やかなモード遷移が実現できている．