黒鉛炉加熱原子吸光法による鉄鋼及びニッケル基合金中の微量ビスマス、鉛、テルルの定量方法

摘要

鉄鋼やニッケル基合金の耐熱特性に悪影響を及ぼす微量不純物元素として、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テノレレ、銅などの低融点元素がある。 これら元素は、また、鉄鋼やニッケル基合金スクラップのリサイクルにおいてトランプ元素と呼ばれ、その除去が難しい。 従って、材料組成評価においてこれらを定量することは極めて重要である。 これら元素は、黒鉛炉加熱原子吸光法によって、材料を酸分解したままの溶液を使用し高感度に分析できるものが多い。例えば、スズ、ヒ素、アンチモン、セレンなどは訳Sで分析方法が規格化され、（0．0002~0.0005）％以上(0.0020～0．010)％以下が定量される。 本技術険討会には9分析所が参加し、高感度測定が期待できる黒鉛炉加熱原子吸光法によって鉄鋼及びニッケル基合金中の微量ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、テルル（Te）の定量方法について共同実験を行い、その方法が確立できたので、結果を報告する。