概論：HIA抗原検査一抗原の種類，検体の採取条件,検査の適応とその臨床的意義

摘要

HLA抗原(human leukocyte antigen)は高度の多型性(polymorphism)を有する細胞膜抗原であり，ヒト第6染色体短腕(6p21.3)上の約4,000 kb (400万塩基対）の距離にわたつて存在する主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex: MHC)遺伝子領域内のHLA 遺伝子群に支配される.MHCの機能がウィルスなどの微生物感染に対する防御であることから,HLA遺伝子群は，それらの感染性微生物との戦いで突然変異を蓄積し，微生物に抵抗する免疫原性の強い新しい遺伝子に変化してきたと考えられる.