ネフ口一ゼ症候群の新しい診断基準と定

摘要

ネフローゼ症候群は，腎糸球体基底膜障害によ る蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白とこれに 伴う低アルブミン血症(低蛋白血症）および浮腫を 特徴とする症候群である.欧米の成書において大量の尿蛋白の定義は3.5 g/day(3.5 g/gCr)以上の 蛋白尿とすることが多い力人3g/dayとする考え もある。また，アルブミン尿2.0 g/day以上とすることもある。一定期間の大量のァルブミン尿の結果，血清ァ ルブミン値および血清総蛋白が低下する.欧米で はネフローゼ症候群に合併する低アルブミン尿の 定義は曖昧で統一されていない.わが国ではネフ ローゼ症候群の定義に低アルブミン血症は必須で あり，血清アルブミン値3.0 g/dL以下の血清アル ブミン値，または血清総蛋白6.0 g/dL以下の低蛋 白値であることが必要条件である。