日本のガイドラインと世界のガイドライン（1)：IgA腎症の治療

摘要

IgA腎症は，わが国で高頻度に認められる原発 性慢性メサンギゥム増殖性糸球体腎炎で，発表当 初には予後は良好とされていたが，わが国やフラ ンスからの報告にもあるように，発症後20年の経 過で約40%の患者が末期腎不全に進行しており， かならずしも良好とはいえない.予後不良を示唆 する因子としては，高血圧，蛋白尿(Ig/day 以上)，血清クレアチニン高値(腎機能低下)， 高度な組織障害(糸球体硬化，尿細管間質障害)， があげられている.したがって，これらを速やか に改善すべく積極的な治療介入が必要である.と くに，血圧の管理と蛋白尿の改善を図ることがた いへん重要である.