無線ICタグによる地点検知を用いた列車制御システム

摘要

近年、小型で安価な無線ICタグ（以下「IC タグ」という。）が多分野に普及し、Suica に代表される電子乗車券、食堂の料金精算、および商品の盗難防止警報など毎日の生活の必需品となりつつある。一方、鉄道分野では、上記の電子乗車券のほか、コンテナ、コンテナ貨車、およびコンテナを輸送するトラックにICタグを設備したコンテナ輸送管理システムが運用されている。また、運転保安設備においてもATSの地上子·車上子をIC タグシステムに置き換える提案がなされている。鉄道総研でも、ICタグを用いた閑散線区向け列車制御システムの検討を進めており、ICタグを地点検知手段として用いることを考えている。本稿では、地点検知としてのICタグの性能調査結果、列車制御システムへの具体的な適用方法の検討結果について述べる。