符号伝送波をAM変調したATCシステムの開発

摘要

これまでの新システムへの移行においては、地上から車上への情報伝送は、レールを媒体として行っていることから、新たな信号の搬送波周波数を選定し、既設のATC信号に重畳して昼夜を問わず検証試験ができる方法が最良と考えられていた。しかし、既存の線区においては軌道回路の種類が複数存在することや、相互直通運転先の軌道回路の種類が異なるなど新周波数の選定が困難で、その結果、新旧設備を併設し、夜間に切り替えて確認試験する方法が多く採用されているのが現状である。また、新システムを導入するのに、地上車上設備の全面更新が必要になるので、費用面などの課題があり、新システムへの移行を妨げている。そこで、これらの課題を解消できるものとして、既存のATCシステムを生かしつつ、新システムに対応できる信号を開発したので、その概要と利点について紹介する。