位相雑音補償光周波数領域反射測定法の高分解能化に関する検討

摘要

これまで我々が提案してきた位相雑音補償コヒーレント光周波数領域反射測定法（PNC-OFDR）においては、変調信号の瞬断により周波数掃引幅が数GHz程度に制限されていた。PNC-OFDRにおける空間分解能は周波数掃引幅によって決定されるため、更なる高分解能化には掃引幅を大きくする必要がある。そこで、PNC-OFDRの試験光として3次変調側波帯を用いることを検討した。3次側波帯は二台の強度変調器を直列に接続するだけの簡易な構成にて発生可能である事を理論的に明らかにし、実測定にてその妥当性を示した。この3次側波帯をPNC-OFDRに適用し、10kmまでの光ファイバに対し測定を実施したところmmレベルの空間分解能、-25dBの感度（対口元レイリー散乱レベル）を実現した。本手法による空間分解能-測定距離比は10~6以上であり、我々の知る限りでは光反射測定法において世界最高の特性である。