粉粒体のさまざまな密度形態に合わせた最適測定技術と適用例

摘要

粉粒体の製造工程または製造後の状態において，品質の良い製品を作りたいという願いは当然のことである．粉粒体自体の特性には，凝集や固まってしまう物·付着や溶液の中で沈んでしまうもの等，いろいろな要因を持っている．これらは，粉粒体そのものの物理的な特性を測定することにより製品をより安定させ，管理することができる．粉粒体の特性を知る上で，測定しなくてはならない項目は多々あるが，今回はその中から粉体工学上における密度について述べたいと思う．本章では，それら粉粒体物性についての測定方法と項目毎の意味を記述することにより，製品安定性の参考に役立てていただければ幸いである．単に密度といっても粉体工学上ではいろいろな定義がある．粉粒体の密度からは，粉粒体物質の純度や粒子構造に関する情報がえられる．また，粉粒体の特性（例えば粒度分布や空隙率等）の測定に欠くことのできない重要な測定項目となっている．