シックハウスの問題と現状の対策：シックハウスにおける問題と現状の対策－シックハウス問題に対する我が国の取り組みと対策技術

摘要

我が国において「シックハウス」あるいは「シックハウス症候群」という言葉は、ここ10数年の間に広く認知されるようになった。 シックハウスとは、化学物質による室内空気汚染等により健康被害の原因となる住宅のことを指すが、このシックハウス問題が浮上した背景として、1990年代に①省エネルギーの社会的要請から暖冷房負荷を削減するために住宅が気密になり、自然換気量が少なくなってきたこと；②様々な化学物質が建材、設備、家具、什器、日用品、防虫·防蟻剤などに使用されるようになったことが挙げられる。シックハウス問題は徐々に波紋を広げ、平成8年に「シックハウス対策に関する質問趣意書」が国会に提出され、採り上げられたのを皮切りに、各方面で対策に向けた様々な動きが進んできている。 これまでのシックハウス対策関連の動きを表1にまとめる。 主なものを列挙すれば、以下の通りとなる。