ディジタル処理のためのアナログ回路設計：第11回 交流電圧の表し方と実効値への変換回路の動作－△∑型がRMS-DC変換に使われ始めた理由

摘要

交流(AC: Alternating Current)電圧は電流の流れる向きが変わる電圧で，その値は時々刻々変化します．この扱いにくいAC電圧を扱いやすいDC（直流）電圧に変換するのか，RMS-DCコンバータです．平均値のように波形を選ぶことなくAC電圧の大きさの指標を得られ，測定器やモーダ電流の計測に使われています．現在，RMS-DCコンバータは，AD536やAD636のようなアナログ演算型が一般的です．今後は，△∑変調を利用したICが出てきたように，アナログ回路よりも安価なIC化に適した，DSPを応用するディジタル直接演算方式の専用ICが登場してくるかもしれません．