配管の腐食と対策：新しい熱交換器細管内面の防食システム＜移動式槽型電解鉄イオン供給装置（移動式NAFES）の紹介＞

摘要

鉄イオンの供給には古くから硫酸第一鉄の注入による高濃度間欠供給が行われてきたが、近年、環境保全の観点から自主規制される方向になっている。 一方、硫酸第一鉄の注入に代わり低濃度連続供給が可能な鉄電解法も古くから実用化され、電解鉄イオン供給装置として各種機器に対し適用されている。 今回、短期間（標準運用モード：60ppb×1ヶ月）の連続供給を実施することで初期皮膜として緻密な鉄皮膜を形成させる『移動式槽型電解鉄イオン供給装置（移動式NAFES）』を開発した。 本装置は恒久施設として設置する従来方式と異なり、装置一式をトラックに搭載し各機器間を容易に移動させることを可能としたことに加え、自動化による運転で大幅な省力化を図った。本稿では、装置の原理、構成、特長、概要ならびに実施結果についてその概要を紹介する（写真1）。