円筒型枠を用いた膨張コンクリートの拘束膨張試験方法JCI規準：JCI－S－009－2012

摘要

コンクリートの収縮に起因するひび割れ問題に関して様々な検討がなされ，膨張材や収縮低減剤などの材料開発やひび割れ抑制効果の検証が進められている。材料の視点からの収縮ひび割れ対策としては，①石灰岩骨材の使用，②膨張材の使用および③収縮低減剤の使用が一般的な対策として認知されているが，その中でも地理的条件に左右されず，比較的安価に利用できる膨張材の使用は近年増加傾向にある。膨張材を使用する上では，力学特性に影響を及ぼす初期膨張量を把握しておく必要がある。その測定に関しては，図－1に示すような測長器を用いたJIS A6202附属書2の拘束膨張試験方法が規格化されているが，簡便な方法とは言えず，材料開発や試験棟りなどの限られた評価の時に利用されるにとどまっている。また，拘束膨張試験を実施する試験所についても膨張材や混和剤メーカーなどに限られている。以上のような状況から，膨張コンクリートの膨張量を「誰でも」，「どこでも」，「簡単に」評価できる試験方法が求められている。