電気加工ビギナーのためのリレー講義（その3）：表面粗ぎ評価の解説と重要性－表面性状が表面機能を決める

摘要

どんな製品においても，それを構成する全ての部品に表面粗さは存在する．その部品を製造するツールや金型にも表面租さは存在する．表面粗さとは，簡単に言えば表面の凸凹具合であり，普段指先や掌で触れた時のツルツル感，ザラザラ感で感触を得ることができる．重安なことは，このツルツル感，ザラザラ感という感触を工業量として数値化して，品質評価の一員として取り扱うことの目的を明確にすることである．その目的が明確になって初めて図面に表記された粗さ指示に対して設計者から生産技術，製造，品質管理に至る関連部門がパラメータの意味や容値の意図について一義的な解釈をし，意思統一された品質評価の基で安定した品質の部品の供給が可能となる．近年では，ISO/GPS，JIS/GPS（Geometrical Product Specifications：製品の幾何特性仕様）において寸法，形状，姿勢，位置，表面粗さなどの幾何特性についてその定義や解釈の暖味さを排除して，ものづくりがグローバル化された現環境の中で混乱を招かないために標準化が進んでいる．表面粗さに関するJIS規格では，GPS関連規格の中で12種類もの規格が制定されているのが現状である．