三井化学、注目集める中国投資構想／事業化の有力候補はBPA－シンガポール案と照らし事業リスクを精査中～成否を検証－

摘要

三井化学の対中投資の成否に注目が集まっている。 同社はビスフェノールA（BPA）の大手メーカーだが、目下、大口供給先の帝人化成が誘導品であるポリカーボネート樹脂プラントを中国で建設しており、三井化学にとっても同国でのBPA事業化が有力な選択肢となっている。 一方、対案となるのが既存インフラを活用できるシンガポールでの増設案。 経営陣によるとこの線もまだ捨て切っていないという。帝人化成と相乗効果を分かち合う前提に立てば投資の視線はおのずと中国へ向かうが、三井化学にとって初の"大型"対中投資となるだけに、安易に決断できるものでもない。 事業リスクがどう担保されるかを精査した上での意思決定となる。