粒子を飛ばす技術--エアロゾルデポジション法による常温でのセラミックス緻密膜形成とその実用化

摘要

エアロゾルデポジション法（AD法）は，図1に示すとおり，セラミックス粒子をガスと混合させてエアロゾル化し，これをノズルから基材上に，200～300m/sで“飛ばしで"衝突させ，その運動エネルギーを駆動力として，常温でセラミックスの緻密膜を形成させる技である。セラミックスは通常，原料粒子を成形し，熟を加えて焼結させることによって得られる。粒子を“飛ばしで，セラミックス膜を得る従来技術としては溶射法が知られているが，これはノズル付近で加熱して粉体を溶融し噴射させることによって膜を形成する技術である。これに対し，AD法は加熱手段を用いず，粉体を常温で，固体のまま製膜していくという点で溶射法と大きく異なる。