煉瓦市場と各社の動向を探る--編集部アンケートより

摘要

ここ数年の煉瓦市場には厳しい風が吹き続いており、2003年の国産普通煉瓦の出荷数量は9，301万個と、2002年に引き続き1億個台を割った。 しかも、国産普通煉瓦の出荷額を見てみると、2002年には3年振りに60億円台に回復したものの、2003年は53億1，300万円と逆戻りしてしまった感がある。このような市場の状況を見ると、日本煉瓦製造（株）が編集部アンケートに「公共工事ではコスト削減の中、需要の伸びが鈍い」と答えているように、やはり公共工事縮減の影響は大きいようだ。 公共工事の縮小に歯止めがかからない状況で、煉瓦の一大市場の一つである舗装材としての使用量も減少している。 しかし、今年の6月に景観法が全面施行されたことで、今後各地で景観にまつわる取り組みが活発化してくるものと思われ、歴史的建造物の修復や街並み創造のための煉瓦の活躍が期待されている。