新しい接合要素を用いた制震構造システムの構築

摘要

鋼構造ラーメン骨組の柱と梁を接合するのに高度な技量を必要とせず、いつ誰が作っても同じ品質の接合が得られることを目指した構造システムを、前回に続いてもうひとつ紹介する。 図1に示すのは、前回紹介した接合法である。 ダブルアングル形式と呼んでいる接合方法を使い、染のフランジを柱に高カボルトで接合し、大地震時の終局状態では、仕口パネル全面のせん断降伏とパネル周囲の柱フランジおよびアングル接合材の面外曲げによって崩壊機構を形成するように設計された接合法である。 柱梁の接合に必要な鉄骨加工や労力を少なくし、仕口パネルの塑性化による安定した履歴特性と高いエネルギー吸収能力を得られるのが特徴である。