ケイ素架橋ビアリールの新合成法と発光特性

摘要

分子内回転が自由なビアリール構造の2，2’位をメテレンで架橋すると，分子全体は平面に固定されるのでビアリール部位は共役系として安定化する（スキーム1）。さらに，架橋元素がケイ素の場合には，炭素－ケイ素結合のσ＊軌道がビアリール部位のπ＊軌道と相互作用するので，共役系のさらなる安定化·LUMOの低下がもたらされる。従って，ビアリール骨格をケイ素で架橋する分子設計は，π電子共役系を基盤とする光·電子機能有機材料の電子構造を微細に制御する手法として極めて魅力的である。