(-)－ソルダリンの合成

摘要

ソルダリンは1971年にHauserらによって子嚢菌sordariaaraneosaの代謝産物として単離された天然物である（図1）。 この化合物は四環性ジテルペンの母核に，糖が結合した特徴的な構造を有し，生理活性として抗真菌活性を示す。 これまでの抗真菌剤は主に真菌の細胞膜の合成を阻害することにより薬効を示すのに対し，ソルダリンの活性発現は真菌タンパクの合成阻害によることが最近明らかにされ，新しい抗真菌剤のリード化合物として注目されている。