ビタミンD3-26，23－ラクトンを基盤とするビタミンD受容体アンタゴニストの設計と合成

摘要

活性型ビタミンD3（図1，1）は生体内においてカルシウムやリンの代謝を司るとともに，腫瘍細胞の増殖抑制や分化誘導作用，免疫調節作用など様々な生理作用を示すことから，近年では単なる「栄養素」ではなく，ホルモンの1つとして位置づけられるようになった。 1の主な作用は核内受容体スーパーファミリーに属するビタミンD受容体（vitamin，D receptor，VDR）との結合を引金として，標的遺伝子の転写を制御することによって発現する。 我々はこれまで1のA環部に着目し系統的な構造-括性相関研究を行ってきたが，その結果2α位に適切な官能基を導入することにより，1のVDRへの結合親和性を始めとする基本的などタミンD活性が飛躍的に向上することを初めて明らかにしが。