熱電素子および熱電モジュールの発電量と発電効率の評価装置（mini-PEM）の開発

摘要

熱電材料は熱から電気に直接変換できるため，廃熱エネルギーを動力無しで再利用することができる．熱電材料は複数を組み合わせた熱電モジュールとして製品化されている．近年，熱電モジュールを利用した発電鍋が販売されている．熱電モジュールは以下の段階を踏んで開発されている．最初に，性能指数が高い熱電材料の探査，均質な熱電材料の製作，熱電モジュールの試作，熱電モジュール評価，安定した性能が得られた段階で熱電モジュールとして,製品化される．熱電材料はゼーベック係数·電気抵抗率·熱伝導率から計算できる性能指数として評価される．一方，熱電モジュールは発電量や変換効率として評価される．発電量や変換効率は性能指数を用いて計算することはできるが，理論的な値と一致しないことがある．これは，熱電モジュールは，熱電材料だけでなく基材や電極が含まれ，特に電極と熱電材料の接合が理想的でない場合が多い弊社では，熱電材料の評価装置としてZEMシリーズやTCシリーズを開発し，熱電モジュールの評価装置としてPEMを開発してきた．現在，電極と熱電材料の接合と，小さなモジュールを発電量·変換効率として評価できる装置（mini-PEM）を開発している．本発表では，新装置の原理について説明し，市販のミニモジュールの測定結果及び電極と熱電材料を接合させた単素子の測定結果を報告する．