電磁超音波探触子による円筒波基本特性評価－パイプラインの長距離検査

摘要

屋内外ガス配管、埋設水道管、天然ガス等のパイプラインでは補修の有無の判断、余寿命診断のために検査が必要とされている。現在の検査手段としては放射線透過試験或いは超音波試験が考えられるが、センサ部を被検査部に近接させる必要がある。したがって埋設されている配管を掘り返す必要があり、必要な時間、費用或いは交通問題等を考えると実施できる場合は極めて限られている。 一方、超音波の干渉波モードの一つである管波（以降は円筒波と称す）は管軸方向に進行する定在波で、その発生のメカニズムから、距離減衰が小さく場合によっては100m以上の長距離にわたって伝搬することが可能であると言われている。このような円筒彼の特性を生かすことができれば、埋設箇所の削減或いは、地上部に出ている配管を利用して、かなりの部分の配管検査が可能になるのではと考えられている（第1図）。最近はこの特性に着目して、米国や英国の研究機関で円筒波を利用した配管検査装置が研究開発され一部商品化されている。