SAW溶液センサの開発

摘要

SAW溶液センサは，SAWが伝搬しているデバイス表面に溶液を付加すると，溶液の電気的·機械的性質による影響でSAWの音速と減衰率が変化することを利用したセンサである。実際にSAW溶液センサを用いて，ミネラル水の識別やウイスキーの識別が可能であることが既に確認されている。 しかし，比誘電率が一般的に小さいオイルや有機溶媒などは，表面波の漏洩により生じる理論とのずれにより測定対象から除外されている。 今回，測定が容易な溶液に直接ディップ可能なセンサを開発し，ジオキサン溶液での漏洩により生じるずれを測定し補正手法を確立した。 本手法により，任意の溶液で比誘電率と導電率を測定可能なSAW溶液センサシステムを実現した。