燃料油販売，28年ぶり1.9億kl割れ＝2014年度までの経済·エネルギー需給見通し日本エネルギー経済研究所研究報告から＝

摘要

日本エネルギー経済研究所はこのほど，今年度2013年度と2014年度の経済·エネルギー需給見通しについてとりまとめを行った。アベノミクス効果や今後期待される海外経済の回復などにより，日本経済の先行き不透明感が薄れつつある中，エネルギー環境は依然厳しい電力需給バランス，原子力発電所の新規制基準に係る動向，太陽光発電に偏った導入によるリスク，安定化しない中東情勢とこれに伴う原油価格上昇の可能性など，懸念材料が山積している。エネ研ではこうした日本が直面する課題の分析，望ましいエネルギーミックスの検討に資するため，2013年度と2014年度の経済·エネルギー需給の見通しを立て，合わせて各種影響評価分析を行ったもの。注目の原発再稼働については，審査期間6カ月，プラント審査3チーム体制の場合，再稼働数は2013年度末で最大6基，2014年度末で16基としたが，2014年度の原子力発電量はそれでも2010年度の4分の1程度にとどまる。電力C重油は，原発再稼働に伴い徐々に減少幅を拡大し，2014年度は3割以上減少，ガソリン，灯油，軽油，A重油も減少トレンドが続くため，燃料油の国内販売は2013年度に4年ぶりのマイナス，2014年度はC重油の大幅減により28年ぶりの1億9,000万kl割れとなる。福島原発事故以降，2012～2013年度は2,000万kl弱に増えていた電力C重油だが，2014年度は1，330万klと2011年度の1,490万kl下回る見通し。元売各社は電力C急減を意識した供給体制に切り替える必要がある。同研究報告の内容を抜粋して紹介する。