原油コストの高止まりで官公需価格は大幅な値上がり

摘要

米エネルギー省は12日，来年の原油先物相場が63～65ドル／バーレルの高値圏で推移するとの見通しを発表。 石油精製施設へのハリケーン被害も復旧が遅れており，需要期入りを前に暖房関連油種の高騰から再度の原油市況高騰も懸念される情勢となっている。中国をはじめとする新興諸国の需要増に加えて，産油国の政情不安や自然災害による供給不安もあって原油市況の上昇は止まるところを知らない。 昨年1月が29ドル／バーレルだったドバイ原油市況の月間平均値は今年1月が38ドル／バーレルとなったあとも上昇を続け，9月平均は56.5ドル／バーレルに達した。 昨年1月比約2倍，今年1月比約1.5倍という暴騰ぶりだ。 原油コストの高騰を受けて，国内石油元売各社も月次仕切改定で連続して大幅値上げを打ち出してコスト回収に努めている。新日石の場合を例にとってみると，10月仕切は1月此（＋）18.9円／lもの大幅な値上がりとなっており，ほぼ毎月の仕切値上げを受けて，販売業青も需要家への値上げ要請に追われる毎日が続いている。 需要家納め価格も月を追って大きく値上がりしてきたが，その中でも高騰著しい官公需石油製品価格の動きを追ってみた。