OPEC50万バーレル／日の増産で合意WTIは80ドル／バーレルを突破

摘要

OPECは11日，ウィーンで第145固定例総会を開催し，11月1日から50万バーレル／日増産することで合意した。 原油市況が史上最高値を更新，強まる消費国からの増産圧力をかわすとともに，急騰する市況を冷ますのが狙い。 OPECが増産で合意したのは2年2カ月ぶりのこと。 OPECは昨年10月と12月の2回の総会で合計170万バーレル／日の減産で合意しており，現在の目標生産量はイラクとアンゴラを除いた10カ国計で2,580万バーレル／日。 しかし，実際は目標を約100万バーレル／日上回る生産を行っており，2,580万バーレル／日は完全に有名無実化している。 2,580万バーレル／日からの増産では現状を追認にするだけにとどまるため，OPECは足下の生産量に50万バーレル／日上乗せした2,725万バーレル／日を新目標生産量とすることで，増産が本物であることを市場にアピールしている。 総会開催前の市場の見方はほとんど増産見送りで固まっていたことから，今回の増産合意をちょっとしたサプライズと評価する向きも一部にみられたが，総会後市況は急騰，11日，12日，13日と3営業日連続してWTIは史上最高値を更新している。 50万バーレル／日の増産では不十分との見方が強まるなか，米国にハリケーンが相次いで発生したことがその背景だが，13日の終値は80.09ドル／バーレルとなり，史上初めて80ドルの大台を突破している。