医療組織への品質マネジメントシステムの導入·推進-『A病院におけるQMS導入·推進の困難モデル』を読み解く

摘要

本研究は，「医療組織」への品質マネジメントシステム（以下，QMS）の導入·推進に関する研究である．これを通じて，良質な医療サービスの安定的かつ継続的な提供を目指している．QMSの代表的なモデルはTQMであり，その構成要素は①標準化，プロセス志向などの質マネジメントに重要な概念，②方針管理，日常管理などのコアマネジメントシステム，③FMEA，統計的手法などのツール，④運動論の4つに分類されており，本研究は④に該当する．言い換えれば，①の重要概念を理解した上で，②，③をいかに活用し，病院組織に効果的，効率的に展開できるかに関する課題を取り扱う研究である．