都市イメージの向上と観光振興-大阪府内観光関連産業に関する調査について-

摘要

国土交通省は、2003年を「訪日ツーリズム元年」と位置付け、戦略的に外国人旅行者の訪日を促進するビジット·ジャパン·キャンペーンを推進するなど、その経済波及効果の大きさから、国を上げて観光振興に取り組む動きを活発化させている。 大阪においても、経済活性化の核として観光振興は大いに期待されており、大阪府ではこれまで「大阪府観光振興ビジョン」、「大阪府観光振興戦略」を策定し、平成14年には、大阪観光推進宣言策定委貞会により「『観光立都·大阪』宣言」が策定され、企業·関連団体·NPO·行政等の分野を超えた枠組みが構築されたところである。 しかし、これまで観光関連産業の範囲や実態などが明確ではなく、観光振興の取り組みについても、総花的な議論に終始し、産官や地域間等の連携のあり方についても、まだまだといった指摘もある。 また、名実ともに「観光立都」と呼ばれるためには、外国人の意見やニーズに、これまで以上に積極的に耳を傾け、様々な取り組みに活かしていく必要がある。 本調査は、これまでの大阪軌二おける観光振興施策を振り返りながら、観光関連産業の現状と、大阪府の観光資源を守り育てつつ、観光関連産業が発展していくための方向性について、観光関連事業者·有識者のヒアリング調査およびケーススタディ、そして大阪府内の大学に学ぶ留学生を対象としたアンケート調査結果をおりまぜ、とりまとめたものである。