リモネン末端C＝C結合位置選択的エポキシ化モレキュラーインプリンティングRu触媒の設計

摘要

シリカ表面に固定化したRu錯体の配位子を鋳型分子としたモレキュラーインプリンティング触媒を設計し，分子内に2つのC＝C結合を有するリモネンの末端アルケン位置選択的エポキシ化の触媒を調製した．固定化Ru触媒では，末端アルケンエポキシ化選択性は23％で内部アルケンのエポキシ化が優先的に進行するが，末端アルケンエポキシ化中間体類似構造の分子を鋳型として活性金属中心Ru上に形状選択的反応空間を作成した表面モレキュラーインプリンティング触媒は，73％選択性で末端アルケンを選択的にエポキシ化した．表面マトリックス形成時に少量の添加剤を加え，末端エポキシド選択性を90％まで増加させることにも成功した．