産業革新のための実踐的コンピユータ化学--触媒研究への応用

摘要

近年，高付加価値製品の開発による国際競争力の強化が求められる日本の産業界において，従来の試行錯誤的な研究開発手法からの脱却が強く求められており，そのためのキーテクノロジーとしてコンピュータ化学に大きな期待が寄せられている．しかし，産業界における実践的な課題を解決するためには，旧来の手法を活用するのみならず，より実践的な新規手法の開発が必須である．これに対して我々は，従来の第一原理手法と比較して1000万倍の高速計算が可能な超高速化量子分子動力学法をはじめとする様々な新規コンピュータ化学手法を開発してきた．それら手法の詳細と触媒研究への応用について紹介ずる．