Pd/Cを触媒とする鈴木一宮浦反応

摘要

Pd/Cを触媒とする鈴木一宮浦反応はここ10年の問に目覚しい進歩を遂げ，最近では数多くの応用例が民間企業から報告されている．その背景としては，触媒であるPd/Cの回収が簡便な濾過操作ででき，回収したPd/CからPdのメタルとしての再利用方法が工業萬に確立しており，加工賃が安価で，製品への触媒及びリガンドの残存が抑えられる点等々，企業にとって魅力ある反応であったことが挙げられる．一方で反応機構については，まだ不明な点も多く課題となっている．今後の検討で課題が解明されると共にPd/Cを触媒とする鈴木一宮浦反応の実用化が更に推進することを期待する．