l_p圧縮センシングによるDOA推定におけるラグランジェ未定係数決定方法

摘要

l_p-Compressive Sensing（CS）を用いた到来方向推定は，相関波に対しても高い分解能を有し，また，到来波数に関する情報も不要なメリットがある．本処理は，ビームフォーマによるDOA（Direction Of Arrival）推定項とラグランジェ未定係数λで重み付けしたスパース拘束項の和の関数の最小化問題を解く．本処理が正しく動作するにはλの設定値が重要であるが，現状では，試行錯誤で決定されている．上記の課題に対し，本稿では，λの自動設定方式を提案する．本提案方式では，正しい到来方向推定結果が得られた場合，DOA推定項が受信機雑音エネルギーと同じ値となる性質を用い，逐次λを更新することによりDOA推定項の値を受信機雑音エネルギーに収束させる．計算機シミュレーションの結果，到来方位付近に到来波数と同数のピークが得られ，提案方式が適切に動作することを確認した．