研削面表層温度測定における測定孔の影響に関する研究（測定孔を有しない熱電対測定による検討）

摘要

製品品質へ影響する被加工物への研削熱の分配割合については過去に多くの報告がなされているが、分配割合を見積る際の熱エネルギー流入要素、算出方法、熱源要素等の相違から、推定された分配割合は30％～90％と幅広く分散している．これまで多くの報告で解析に必要な温度値を得るためLittmannの表層温度測定法が多く採用されたが、測定で設けられた測定孔が温度値の測定精度へ影響している可能性が見出されており、分配割合が定められない理由の一つと考えられる．本研究では研削面表層温度測定で測定孔を必要としない熱電対を用いた手法を採用し、以前実施した測定孔を有する測定温度と比較して測定孔有無の影響を検証した．その結果、測定孔の存在で測定温度値が、測定部位により大きく影響することが確認された．