環境に配慮した製品·技術：自動販売機－ノンフロン自動販売機

摘要

自動販売機は，日常生活に多くの場面で活用されており，中でも飲料自動販売機は，街角やオフィスに置かれ利便性は広く受け入れられている．一方公共性の観点からは，地球温暖化防止のため京都議定書に盛られた温室効果ガス排出量削減目標の達成に資する，地球環境にやさしい自動販売機が求められている．飲料自動販売機の冷凍機に使用する冷媒は，現在ハイドロフルオロカーボン(HFC)が主であるが，温室効果ガス排出量削減への対応として，地球温暖化係数の小さい自然冷媒の使用が望ましい．そこで当社は，CO{sub}2冷媒を使用した冷凍機を搭載し，断熱材についても炭化水素系発泡剤を使用した，ノンフロンの自動販売機を開発した．また，地球温暖化防止のためには，自動販売機の通常使用における省エネルギーを推進することも重要である．缶·ボトル飲料自動販売機は，2002年12月に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」（以下，省エネルギー法）の特定機器に指定され，トップランナー方式により消費電力量を荷重平均で2000年度を基準に2005年度に約34％削減する改善目標が設定された．当社では2005年度には目標達成の見通しを得ているが，さらなる省エネルギー推進のため，冷却と加熱を同時に行うヒートポンプを自動販売機に適用する技術を開発した．以下では，これらの内容について紹介する．