浅深度·大深度における泥土圧式シールド工法への適用－ツインスクリュシールド工法の開発と実用化

摘要

近年、都市部においては人口集中による都市施設の需要拡大や都市機能の多様化等のため、地下の過密化が深刻な問題となり、コストダウンを前提とした大深度大断面の地下空間構築技術の開発が急務となっている。都市部における地下空間の構築、そのうちトンネルの構築においては、シールド工法により施工を行うのが主流となっており、泥水式シールドと泥土圧式シールド工法に大別される。 なかでも泥土圧式シールド工法は、地下30mを超える大深度施工の実績はあまりなかった。 これは、大深度になると切羽が高水圧となり、排土装置であるスクリュコンベアから掘削土砂を取出す際、掘削土や地下水が押し出されてしまう噴発現象を起こし、切羽土圧の制御ができなくなるという問題があったからである。 切羽土圧を制御できなくなることは、すなわち周辺の地盤を変状させることである。この間題を解決するため、大成建設㈱と石川島播磨重工業㈱は、1996年から原因であるスクリュコンベアの構造の改善としてツインスクリュシールド工法（TSシールド工法）の開発を行った。