シールド工事における最近の施工動向：多様化するシールド工法－シールド工法の変遷と現状

摘要

記録に残っている最古のトンネルは、今から4000 年以上前の開削工法トンネルであると言われている。 それに対し、世界で最初のシールドトンネルは、180年ほど前のことであり、さらに日本での採用は、まだ80年程度しか経ておらず、シールド工法の歴史は、トンネル工法の中でも非常に歴史が浅い。 それにもかかわらず、ここ十数年のシールド工事の技術革新には、目を見張るものがある。 特に、大断面、大深度、長距離施工、自由断面、急曲線、上向き施工等、ニーズに対応した新技術の開発が進められてきた。 施工の詳細は各論に譲ることとして、本稿では、鉄道や道路における大断面シールド工事を中心に、近年の特徴的なシールド工法を紹介することとする。