パケットキャプチャにおける収集データの,通信の秘密を考慮した抽象化手法の検討

摘要

本研究は，通信の秘密を考慮しつつ，パケットキャプチャによって収集したトラフィックデータを抽象化する手法を検討する．インターネットを介して様々な情報が流通するようになり，インターネット上の情報を応用した様々なサービスが登場している．そういった中で我々が着目したのはバックボーンのトラフィックデータである．バックボーンからトラフィックデータをキャプチャし，解析する事で，新しい価値ある情報を抽出する事を目標としている．しかし，トラフィックデータの解析には通信の秘密の侵害といった問題があり，まずはその問題を解決する必要がある．よって上記目標を実現するためには，トラフィックデータの解析と，通信の秘密の保護を両立させる必要がある．本稿ではまず，通信の秘密が現状どのような扱われ方をしており，また，どのような問題を孕んでいるかについて述べる．関連研究を踏まえて本研究の位置付けを明らかにし，通信の秘密を考慮しつつトラフィックデータを抽象化する手法を検討する．