3次元ディジタル画像のトポロジカルな特徴量に関する一考察－肺組織の微細構造の形状解析に向けての予備的検討－

摘要

マイクロCTの開発により、μmオーダーの非常に高い分解能の3次元濃淡画像の取得が可能となり、そのような超高分解能のCT像を用いることで肺の微細構造の解析が可能となりつつある。 本稿では、肺組織の微細構造の形状解析に関する予備的検討として、肺組織のマイクロCT像におけるトポロジカルな特徴量について議論する。 3次元ディジタル図形におけるトポロジカルな特徴量としては、図形のトポロジカルな性質を示す特徴量の一つであるオイラー数IEU、1－画素·0－画素の連結領域の数として算出可能な連結成分の数IRや空洞(Cavity)の数IYなどの連結指数、そしてそれらの値から間接的に算出される穴(Hole)数IHを計算対象とした。 マイクロCTにより撮影された伸展固定肺標本の3次元濃淡画像をさまざまなしきい値で2値化して得られた3次元2値画像を入力画像として得られた、各特徴量の算出結果を示した。