積載形トラッククレーンの設置における地盤養生の方法について

摘要

積載形トラッククレーンの災害事例をみると，クレーンの転倒災害が多く発生している。その原因には支持地盤の破壊に起因するものも見られ，アウトリガーの沈下防止対策を講じていない事例がほとんどである。このような地盤崩壊に起因する転倒災害を防止するためには，地盤調査により地盤の支持力を調査した後，アウトリガー接地圧を地盤の支持力以下となるよう敷板を選定·設置してクレーン作業を行う必要がある。しかしながら，クレーンによる荷の積み下ろしの際に，計測機器を用いて地盤調査を行うのは現実的に不可能である。さらには，地盤の支持力を簡易的に計測する方法がないのが現状である。本文では，クレーンの自重を利用した簡易な地盤調査から地盤強度を推定し，安全作業に必要な敷板の大きさを求める手法や，アウトリガーを敷板に偏心設置した際の支持力減少について検討した結果を述べる。