加工食品のトレーサビリティ基準と認証制度

摘要

トレーサビリティの一般の定義について，ISOにおいては「考慮の対象となっているものの履歴，適用または所在を追跡できること」とされている。 食品のトレーサビリティとは「生産·加工·流通等のフードチェーンの各段階で食品とその情報を追跡できる能力」をいう。 食品のトレーサビリティの言葉の定義については，すでに上記のように共通認識として受け入れられていると思われるノ。 しかし，実際にどのようにすれば食品のトレーサビリティが確保された状態となるのか，どのような事項が要求されているかというと，まだコンセンサスを得ていないのが現状である。 また，牛肉のトレーサビリティと，農産物のトレーサビリティと，加工食品のトレーサビリティには求められる内容が違うものと思われる。 従ってトレーサビリティの構築にあたっては，「トレーサビリティで何をどこまで求めるのか」ということを関係者の皆が共通認識としてもっておかないと，プロジェクトメンバーのAさんとBさんで，最終的な到達点のイメージが違って各論の議論をはじめてしまうといった悲劇が起こりかねない。