難削材加工用切削工具の最新動向－Ni基耐熱合金(HRSA)高能率旋削加工ソリューション

摘要

INCONEL718，Waspaloy，Rene95などの耐熱合金(Heat Resistant Super Alloy：HRSA)は主にジェットエンジン内燃焼器周辺のケーシング，タービンなどに用いられいる。 これら耐熱合金は温度が900℃から1,000℃でも，強度が低下しないため，被削材としては非常に削り難い金属材料の代表格である。 今までは，加工上の安全性を最重視する必要があったため，加工能率を犠牲にせざる得ないのが実情であった。 しかしながら，近年は航空機用ジェットエンジン部品の加工コスト低減競争が激化しており，加工能率向上による加工コストダウンの必要性がクローズアップされている。 切削加工を安全に行ない，かつ加工能率を上げるというニーズは特に耐熱合金切削加工では対極的な意味合いをもち，両立させることは困難であった。 本稿では当初が過去数十年来世界中で蓄積した耐熱合金切削加工技術ノウハウをベースに開発された最新の切削工具によって，高い加工安全性と高能率加工を両立させることができる最新ソリューションを紹介する。