生産加工を支える新技術－これからのものづくり〈我が社における製品開発の方向〉：高能率加工と高精度加工を目指した超硬エンドミル

摘要

高速マシニングセンタやCAMなどの支援技術の進歩，そして工具であるコーティング超硬エンドミルの進歩により高速加工が実現されている。 当社は約10年前から高硬度材の高速切削用に開発した(Al, Ti)Nコーティングや(Al, Ti, Si)Nコーティングを適用した「ミラクルエンドミルシリーズ」を商品化している。 しかしながら，製品ならびに部品の高機能化が進むため，金型材料の高硬度化や航空機用材料などの難削化がさらに進むものと考えられる。 また，以前であれば高精度加工は日本の専売特許であったが，韓国をはじめ海外でも精密部品や精密金型の加工精度は日本と遜色のないものになりつつあり，製品の加工精度向上の要求は今後もますます増加するものと考えられる。 工具寿命の向上は工具の永遠のテーマであるが，今後は，高硬度材料などの難削材料の加工，高精度加工での高速切削，寿命向上が求められるものと予測している。 本稿では，高能率加工ならびに高精度加工を目指した新製品を紹介し，当社の製品開発の方向性について述べる。