ニーズに応える超精密加工機と活用技術：超精密同時5軸加工機とその加工技術

摘要

ここ数年前より，"ナノテクノロジー"という言葉を良く耳にする機会が増えて来たが，一般的にはバイオ·半導体をイメージする方が多いかと思われる。 もちろんその分野での技術革新も急激な発展を遂げているが，今回紹介する超精密加工分野においても，年々高まる高精度なニーズに対応するべく，工作機械の技術も急速な進歩を遂げている。 特に光学分野の加工技術においては，光干渉域レベルの評価が求められるため，加工後の精度において"ナノオーダ"が要求されている。 それに対応する加工機は，従来のすべり案内·ボールねじ駆動方式といった技術ではまったく対応できない。そのため，主軸·各軸案内面·駆動軸·回転体など，動く物体すべてが非接触で案内される。また，加工機だけでなく，設置環境（温度，振動）·加工ツール·評価装置など，すべてがナノオーダに影響のない対策·設備が不可欠となる。今回は，同時5軸加工機で，世界最高マシンとの評価が高いMooreNanotechnology社製350FGと，その加工技術を紹介する。