ハイテク部品の超精密研磨加工技術－ストレスリリーフと超精密仕上げ：水晶の極薄化と超精密研磨加工

摘要

水晶は圧電材料であり、所定の角度·厚みに切り出したものは電位差を与えると振動（発振）し、その発振は非常に安定している。 この安定した発振の特性を活かして、水晶は、電子機器が内包する電子回路の発振源として重要な役割を担っている。 その応用範囲は、無線や時計、家電、そして近年ではAV機器や情報端末器機（携帯電話·パソコン·カーナビゲーションなど）に搭載されるなど、多岐にわたる。 そして、これらの製品は普及に伴って機器の小型化·軽量化、多機能化が進み、同時にそこに組み込まれる電子部品に対しても、市場から小型化をはじめとする厳しい仕様を要求されている。 電子部品の小型化は、機器の小型化·軽量化にとどまらず、基板への実装点数の増加がもたらす「多機能化」にも波及する。 水晶振動子の外形寸法に関して、現在の主流は3225タイプと呼ばれる3.2×2.5mmのサイズであるが、2520タイプに移行する動きが始まっており、更なる小型化要求に対応した2016タイプの振動子の開発も進められている。 本稿においては、水晶振動子の基となる水晶片（水晶素板、水晶ブランクと称す場合もある）の「極薄化」を可能にした加工プロセスを紹介する。