全国型づくり見本市－徹底レポート－東北を代表する元気企業の金型づくりを見る：デジタルネットワークで実現した“生産性5倍”（山形カシオ）

摘要

同社はTPM優秀賞第一類を受賞した2002年度以降、特別賞を目指したTPM Part 2の活動をスタート、『NOAH型企業をキーワードにお客様の事業領域で世界No.1を目指す！ 』をスローガンとした金型·成形工場のデジタルネットワーク構築を展開している。 とりわけ、短期間に多くの新製品が登場し、機種の入れ替わりが早い携帯電話やデジタルカメラの「垂直立上げ＋短期集中生産」に対応すべく、開発を進めた独自システムは、総合的な情報活用と適切なマネジメントの効果によって短納期·高品質の金型づくりと短時間での量産立上げに威力を発揮し、「生産性5倍」の原動力となった。同時に、この成果は2005年度のTPM優秀賞の特別賞*をはじめ、「日経ものづくり大賞」、「青木固技術賞」**、「環境保全推進賞」***など、多くの賞や表彰を受けている（図3、表1参照）。 また、前述の「NOAH（ノア）型企業」とは、N：Network；O：Originality；A：Agility；H：HyperSolution をキーワードに、「顧客志向の経営風土と顧客とのビジョン共有化」と、「それによる顧客の強みと自社の強みを融合するパートナーシップ構築ができる企業」のことである。 この活動を通して、リードタイム短縮、原価低減、高付加価値化、より高いブランディングの確立を目指した。 今回、同社の事業全体を網羅するデジタルネットワーク構築の取組みについて、同社製造部·佐竹喜悦氏に話を伺った。 そこで、本稿では第1部「金型加工編」、第2部「成形編」に分けて紹介する。