新しい技術·技能教育に取り組む：(14)電子技術の実踐教育とE-Learning教材の試み

摘要

インターネットを中心としたIT時代になって早くも10年以上経った。 現在はユビキタス時代に入りかけており、さまざまなモノ·サービスを設計製造する際、電子技術を使いこなすことは必須となってきている。 従来の工学教育では、電気·電子教育は紙と鉛筆での数学的解析手法の習得に重点が置かれている。 学生は、実際の電子回路をつくることを知らずに解析問題ばかりにそのエネルギーを費やす。 これでは業務上必要に迫られているエンジニアが学んでも意味がない。そこで、ものつくり大学では、初年度の学生に簡単ながらきちんと動く電子回路を製作させる。 この内容は、開発試作部門の新入社員が最初に受けるOJTに似ている。 これにより基礎知識と必要最低限の技能が身につく。 実際、本学の学生は、2年、3年でこの経験を活かし、先端研究のセンサをつくったり、加速度マウスなど新製品の試作が行える実力を身につけている。 さらに、この内容をE-Learningのコンテンツ化することにより、遠隔地の中小企業の技術者が短期間に必要とする電子技術を身につけられるようにE-Learning教材化を試みている。 本稿では、本学での教育の優位性の実例を示すとともに、試作したE-Learning教材化を紹介する。