森林風景がもたらす癒し効果の検証－水辺の有無による差異

摘要

森林がひとに与える癒し効果に注目し，特に森林における川，湖などの水辺の存在がどのような影響をもたらすかについて，視覚的側面から検討した．男女大学生および大学院生30名（男性16名，女性14名）を被験者として，森林風景写真のイメージ評価（一対比較，意味微分法），森林風景の構成要素についての一対比較，森林風景写真を飾ったデスク空間の気分評価，イメージ評価，注意回復理論に基づく質問紙調査および順位付けを行った．その結果，ほとんどの評価において，水辺が写った写真の方が評価は有意に高くなり，水辺の写った森林風景写真の方が，癒し効果がより高い可能性が示唆された．