FTTH(Fiber To The Home)等のアクセス系ネットワークでは,ユーザを効率的に収容するためにスイッチを多段接続する構成が用いられる場合がある.しかしながら,スイッチの多段構成では,経由するスイッチの段数やスイッチが収容するユーザ数の違いに伴う,ユーザ間の帯域不公平性が課題となる.そこで,筆者らは,スイッチの多段構成におけるQoS(Quality of Service)制御を経済的に実現する方式として収容ユーザ数の比率に従った帯域公平制御方式を提案している.本稿では,スイッチの出力制御方式として,QoS制御を実施しないFIFO (First In First Out)方式,厳密なQoS制御が可能な個別キュー方式,経済的な構成でQoS制御を実現する提案方式のそれぞれについて,ネットワークシミュレーションを行い,ユーザ間の帯域公平性を示すFI(Fairness Index)を算出した.FI値を比較した結果,個別キュー方式の0.99には劣るものの,提案方式は0.85であり,FIFO方式の0.54から改善していることを確認した.
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