階層分析法によるマルチチャンネルサラウンドシステムの評価法

摘要

前報では，5.1chサラウンド再生におけるスイートスポットの許容範囲について検討した．その結果，サブウーハーの位置と受聴位置の関係が「迫力」に影響を与えている可能性が示唆された．本報では，意思決定法として提案されている階層分析法を用いて，ステレオ再生におけるスピーカシステム選定の階層構造をモデル化した．その階層構造を用いて，サブウーハーの有無が音質に与える影響に注目し，聴覚情報のみ与えた心理実験を行った．その結果から，小型な2台のメインスピーカと一台のサブクーハー組み合わせシステムは，個人の好みとジャンルによっては帯域幅の広い大きな2台のスピーカよりも好まれる可能性が示唆された．